3ヶ月前に転勤が決まり、それに際しては支度金が全社員一律で15万円ほど出るという規定でした。ですが、いよいよ6月からの赴任となった1週間前に支度金が全社員一律7万円になるという規定変更がなされました。このような規定変更は許されるのでしょうか？

企業が転勤に関する支度金の規定を変更すること自体は一般的に許されています。ただし、その変更が合理的であり、従業員の権利を不当に侵害しないようにする必要があります。具体的には、以下の点を考慮する必要があります。

1. 合理的な理由: 企業は、支度金の減額について合理的な理由を示す必要があります。例えば、経営状況の悪化や業務上の必要性などが考えられます。

2. 事前通知: 従業員に対して、規定変更の内容とその理由を十分な期間を持って事前に通知することが求められます。今回のケースでは、赴任の1週間前という短期間での変更は、事前通知の観点から問題がある可能性があります。

3. 労働契約の遵守: 支度金の支給は、労働契約や就業規則に基づいて行われるべきです。もし、労働契約や就業規則に支度金の額が明記されている場合、それを勝手に変更することは許されません。

4. 従業員の権利保護: 支度金の減額が従業員の権利を不当に侵害するものであれば、その変更は違法となる可能性があります。特に、転勤に伴う経済的負担が増大する場合、従業員の生活を保障する観点から支度金の減額は慎重に行われるべきです。

5. 労働基準法の遵守: 労働基準法に基づき、賃金の減額には一定の手続きが求められます。支度金が賃金の一部とみなされる場合、その減額には労働基準法の規定に従う必要があります。

このような規定変更が許されるかどうかは、具体的な状況や企業の就業規則、労働契約の内容によります。もし、この規定変更に納得がいかない場合、労働基準監督署や弁護士に相談することをお勧めします。